土地選びの盲点?隣に何が建つかは用途地域で決まる
住宅を建てたい土地に、将来どんな建物が隣に建つか気になったことはありませんか? たとえばマイホームの隣に突然工場ができて、騒音やニオイ、トラックの出入りで生活に支障が…そんなことが実際に起こるとしたら?
実はそれを防ぐために存在するのが「用途地域」です。
《 目次 》 |
①図解でわかる!用途地域がある街 vs ない街
こちらの図は、用途地域のルールがない市街地の状態を表しています。
住宅、店舗、工場、学校などがランダムに並んでおり、暮らしにくそうな印象を受けます。
一方で、下の図は用途地域によってゾーン分けされた街です。
住宅ゾーン、商業ゾーン、工業ゾーンがきちんと区画されており、それぞれが過ごしやすく、安全で便利な街として成り立っています。
②どうして「住みやすい街」は計画されているのか?
Q. なぜ用途地域があるの?
用途地域とは、市街地を住居系・商業系・工業系などに区分けして「そのエリアにどんな建物が建てられるか」を定めたルールのこと。
もし、土地利用に「ルール(用途地域)」がなかったら…
住宅、工場、商業施設、学校など、何でも自由に建てられます。
しかし、その自由さの裏には「暮らしにくさ」や「不便さ」が潜んでいるのです。
A. 用途地域 =「暮らしの守り神」
市街地に用途地域がなければ、住宅のすぐ隣に工場があって騒音や臭気に悩まされたり、買い物や診療所などがバラバラで日常の動線が面倒になったり…ということが現実に起きてしまいます。
-
住宅エリア:静かで安全な環境を守る
-
商業エリア:集客や利便性を高める
-
工業エリア:生産活動をしやすく、周辺に迷惑をかけにくいように配置
これにより、「住みやすい」「便利」「安心」の街ができあがります。
③土地資料をチェックするポイント
売土地の資料には、
必ず「用途地域」の項目があります。
例えば
-
第一種低層住居専用地域
-
近隣商業地域
-
準工業地域
など、13種類の用途地域に分類されます。
さらに「建ぺい率」や「容積率」など、建てられる建物の大きさを制限する項目もセットで記載されています(今後解説予定)。
④市街化区域と市街化調整区域
Q.用途地域がないエリアもある?
A. あります。 「都市計画区域外」や「市街化調整区域」などがそれにあたります。
先ず大前提として、「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。
- 市街化区域:市街化・都市整備が積極的に進められるエリアで、土地や建物の利用自由度が高い。
- 市街化調整区域:環境保全や農地維持を目的としたエリアで、開発や住宅建築は厳しく制限される。
市街化調整区域は、周囲が田んぼや畑に囲まれ、家がほとんど建っていない場所が多く、道路や上下水道などの都市インフラも原則整備されません。
農家の住宅や指定前からの宅地など限られた場合のみ建築可能で、一般の方が新たに家を建てるのは難しいため、住宅用地は市街化区域で探すのが現実的です。
⑤「農地転用」とは?
土地を探していると、「ここに家を建てられるの?」と気になる場所が農地だった――なんてこともあるはず。そんなときに知っておきたいのが「農地転用」というルールです。
農地転用とは、農地(田や畑)を家や駐車場、店舗など、“農業以外の目的”で使うこと。
- 日本では農地の無秩序な減少を防ぐため、農地転用には原則として役所の許可が必要です。
- 許可がないまま勝手に転用すると、罰則が科されることもあるので注意しましょう。
ちょっとしたポイント:
市街化区域の農地は比較的転用しやすい一方、田舎の農地や「市街化調整区域」では厳しく制限されることが多いです。
気になる土地が農地なら、不動産会社や自治体に「転用できる農地か?」を必ず確認しましょう。
「この土地でマイホームを!」と考えるときは、まず農地転用の可否をチェックすることが大切です。農地のまま使えるのか、転用が必要なのかを把握してから検討しましょう。
【まとめ】
土地選びでは、建物の広さや価格だけでなく、 「この場所の用途地域は何か?」 「将来、隣にどんな建物が建つ可能性があるか?」 も重要な判断材料です。
快適な暮らしは、街のルールから。 用途地域は、その街の「設計図」のようなものです。
土地資料を読む際は「周囲の未来」まで見据える意識を持ちましょう。
たとえば「住居専用地域」なら、コンビニや飲食店、大型施設が建ちにくいため、静かで落ち着いた環境を維持しやすいという安心感があります。
分からないときは、資料の読み方も含めてお気軽にご相談ください。
岐阜県本巣郡北方町や本巣市、岐阜市などで土地探しから住まいづくりを検討されている方へ。 |
▶次回Vol.6では「13種の用途地域と建築物」について解説予定です。お楽しみに!
土地探しのお手伝い
岐阜市・北方町・本巣市など、地域密着で土地探しならお任せください!
ざいまん建設㈱の不動産部では『athome アットホーム』に売土地を掲載しています。
掲載以外でもご希望を言っていただければお探しいたします。