温熱環境を考えた健康寿命を延ばす家
薪ストーブのある和&ナチュラルな家 / 岐阜エリア I様邸
新築 ・増築 / 種類別|すべて
断念したOMソーラー、それでも暖かい空気を循環させる家にしたい
弊社で2002年にご新築いただき、その既存の家の増築をご依頼いただきました。19年前に新築させていただいたOMソーラーの家の東側に今回は増築という形になっています。
薪ストーブが映える、和&ナチュラルテイストの自然素材の家
OMソーラーの設置を断念
ご希望だった増築部分へのOMソーラーの設置は、集熱不足(屋根の向きや面積でシミュレーションの結果)から断念をせざるを得なかったこと、ご期待に添えず申し訳ありませんでした。
そんな中、少しでも家中の温度差を少なくしたいとのことで、床下エアコンで家の中の空気を循環させたいとのご希望を頂きました。
今度こそ、憧れの薪ストーブのある暮らしを実現
19年前の新築の時には迷って導入しなかった薪ストーブですが、19年越しでひとつ夢を叶えられました。和風のリビングに映えますね。
薪ストーブのある暮らしをご希望の I様が選ばれたのは HWAM(ワム)3630というデンマーク製の物です。ワムはデンマークでは薪ストーブトップメーカーです。
シンプルで美しい円筒形が特徴で、三方面からパワフルに暖めてくれます。
床の通気口(吹出口)
家中の空気が天井から床下まで循環し、床の吹出口から空気が上がってきます。窓の付近吹出口があります。目立たないように木製です。
冬には薪ストーブの暖かい空気が家中巡ります。
居室の他、廊下や洗面所、トイレにも吹出口があります。
想い出の床柱を移築
お施主様が生まれ育った母屋を解体するにあたり、何か一つでも想い出を残したいとのことから、母屋の床の間の柱を移築することになりました。
解体して外した床柱は、上下をカットして綺麗な部分を生かし、それでも残る落とし掛けを抜いた後の穴には埋木を施し、継ぎ目が分からないように塗装して仕上げました。
自然素材に囲まれて暮らす
壁は薩摩中霧島壁と杉の羽目板、そして桧の無垢の床。木のぬくもりがやさしく家族を包んでくれるようなリビングです。
玄関を入ると木の香りでさっそく癒されます。この香りが10年ほど続くので驚きです。
猫と暮らす家
キャットウォークも杉材です。2階のペット出入口(ペットくぐ~る)を通り抜けて、高い位置のキャットウォークへと繋がっています。猫ちゃんに気に入ってもらえると嬉しいですね。
障子戸をくぐってキャットウォークへ
2階の障子の中にペット出入口(ペットくぐ~る)を組み込んでいます。
和テイストの美とパッシブデザインの融合
杉材の傾斜天井と天窓、吊り下げ照明
2階の障子を開けると、リビングの大開口の窓から2階の窓へ、傾斜天井の添って心地よい風が抜けていきます。
東向きに建っているため、午後は天窓からの光が明るさをプラスしてくれます。
家事と趣味のスペース
奥様の家事室には大きな作業台を造作しております。
趣味がミシンとのことで、作業台の高さも考えられています。
また、疲れた時は目の前の大きな窓から外を眺めることができます。
となりの寝室との境には『3枚引込戸』を設け、壁にスッキリと障子が収納されるように設計しました。
奥様の趣味の時間が充実されるとよいですね。
薩摩中霧島壁と無垢の床と壁
呼吸する壁で心地よい家事室&趣味のスペースに仕上がりました。
奥の寝室とは3枚建ての障子で仕切ることもできます。障子は3枚とも作業台横の壁にすっぽりと収まってスッキリです。
家事室&趣味ための造作作業台
趣味のミシンや洗濯物のアイロンがけなどに合わせ、使い勝手の良い広い作業台です。
ふと顔を上げれば窓の外を眺められるのもよいですね。
まるで山小屋のような室内です。木の香りが心地よいです。
まるで森林浴。やわらかく、あたたかみのあるスギ材の寝室。
床下エアコン
寝室に設置した暖房用床下エアコン(三菱)です。暖かい空気が床下から通気口を抜けて室内を暖めてくれます。
天井空気循環ダクト工事で、天井に昇った空気を床下に送り、循環をしています。
エアコンの前部には本来は木製の桟があり、実際は目隠しされています。囲いはTV台として利用しますので、寝室に溶け込んでいます。
2階のサービスルーム
スケルトン階段を上がるとサービスルームがあります。
1階の窓を開けると、この窓へと風が抜けていきます。
2階のサービスルームの障子を開けた様子
サービスルームは収納として利用するため、窓から風を通すときに障子を開けます。
凄い!『暖かい空気は上昇する』という性質を利用した家
暖かい空気は上昇するから、冬は足元が寒いのでは?と思われる方も多いはず。弊社ではそれを解決するシステムを導入しています。弊社の実績で最も多いのがOMソーラーの太陽熱を利用した床暖房です。今回は立地的にOMソーラーを断念したため、別の策を講じました。
この銀色のダクトの上のボックス内にはファンがあります。ダクトの下は1階の押入を通り、床下まで続いています。
リビング天井まで昇った暖かい空気は、ボックス直結の壁の通気口からファンの力によって吸い込まれ、ダクトを通って強制的に床下へ送られていきます。
床下へ送られた暖かい空気は、床の通気口からリビングへと循環していくのです。
ユニバーサルデザイン~車いす生活でも安心
転ばぬ先の杖、万が一ということで、車いす対応のユニバーサルデザインの洗面台です。
今回は増築ということで、水廻りが洗面とトイレのみのため、お湯を引いていません。そのため、洗面カウンターの下に簡易な電気温水器6Lタイプを設置してお湯が出るようにしています。
トイレも暖かく
こちらもユニバーサルデザインを意識しています。
また少しでも広い空間を確保するため、タンクレストイレを採用しています。
床材はクッションフロアです。汚れた際も掃除がしやすいため、木目のクッションフロアで統一感があり、違和感のない床に仕上げました。
寝室から直ぐの洗面所とトイレで夜間も安心ですが、もっと安心できるのは寝室内と室温の差が少ないことです。床に通気口があり、床から暖かい空気が上がってきます。
ざいまんの家は冬のヒートショック予防に力を入れています。
『庭の景観を大きな写真のように 』する一枚窓の魅力
通常このサイズでは引違い窓になることが多いのですが、大きな一枚の窓は遮るものがなく、四季折々の庭の木々や花を大きな額の中の写真のように表現します。
薪ストーブ 火入れ式
HWAM3630 薪ストーブのある暮らし
薪ストーブに初めて火を入れる、慣らし焚きを行いました。㈱DLDさんからお施主様へ一通り説明があり、先ずは小さな木を焚いて慣らし運転。
ゆらゆらと燃える炎をみているとだんだんリラックスしてきますね。
I様邸では「暖かい空気は上昇する」この特性をいかして、薪ストーブで暖まった空気が上昇したところを床下まで送り届ける工夫を施しています。
暖まった空気は2階の通気口から床下へと続くダクトを通っていきます。暖かい空気は自力で下降しません。ファンによって強制的にダクト内を下降させます。リビング以外の部屋や廊下も床の通気口から暖かい空気が上がってくるという仕組みです。
温熱環境を整える、できるだけ家の中の温度差を無くす、これが冬のヒートショック予防などに力を発揮してくれるのです。
■玄関引戸
LIXIL エルムーブ2 L24型 袖ガラス付き
薪ストーブが温もりを提供するリビングは、和の趣とナチュラルなデザインが調和した空間。
自然素材をふんだんに使用し、四季を通じて快適な住環境を実現します。
将来を見据え、車いす対応の『段差のない玄関』や各所にユニバーサルデザインを取り入れました。
温熱環境を整え、健康寿命を延ばす、素敵な住まいが完成しました。
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